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Sweetener / Ariana Grande (2018) レビュー

Music

Sweetener / Ariana Grande (2018)

 

「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」第14位!

 

「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25 総合ページ」はこちら!
Myunsic Re/cords が選ぶ「2018年の年間ベスト・アルバム TOP25」
年末ということで、今年も各媒体の「年間ベスト・アルバム」発表のシーズンですが、うちも「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」をランキング形式で発表していきます!! 記念すべき音楽ネタの第一...

 

「ネクスト・マライア」なんて言われていたのも昔。

2017年から18年にかけて、本当に激動だった Ariana Grande、「成長」を本当に感じた4枚目のアルバム。

ここまで良い内容になるとは、ちょっと想像していませんでした(すまん!)。

 

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作品制作までの経緯

2017年5月にイギリス、マンチェスターでの彼女のライブ終演後の会場で、多くの被害が出てしまった自爆テロ事件が発生。

そのたった2週間後に、同地でチャリティーのコンサートを自ら企画して、収益を支援基金に寄付。(動きが早かったし、勇気も必要だったでしょう。本当に素晴らしかった!)

約1年後に、本人もPTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しんでいたことを明かしています。

 

去年は私生活でも、5月の、ラッパーの Mac Miller と破局直後の6月に、コメディアンの Pete Davidson と婚約発表。9月に Mac Miller が薬物の過剰摂取で亡くなり、10月に Pete とも破局。

まあ、恋愛沙汰のスキャンダルそのものは、この方、今に始まったことじゃないんで驚きはしないですけど、Mac が亡くなってしまったことについて、有る事無い事めちゃくちゃに叩かれてたのは、見ていて、どうかなーと思いました。

(Yoko Ono、Courtney Love と、各時代に連綿と続く、男に何かあった時に、パートナーの女性が必要以上に叩かれる問題(泣)の1つのように感じましたねー。またかー、と。
男女関係問題、安易に外野がやいのやいの言ったって、本来、関係ないはずなんですけどね。本人らのことだし、本人にしか分かんないことだしさー。一番キツいのは本人だからねー。夫婦喧嘩は犬も喰わないけど、逆も真なり、よ・笑。←実体験に基づく感想・爆。)

 

と、公私大変だった期間に制作された、2年ぶりのアルバムですが、サブスクリプションで1曲ずつ聴くスタイル全盛のこの時代に、「アルバム単位で聴きたい」充実の内容になりました。

 

アリアナ、知らない人いるか? いるか(笑)。一応、イメージつくように過去のヒット曲から。

(最初の大ヒット曲は、件の Mac Miller とやってる「The way」なんで、そっちを貼ろうかと思ったけど、今MV観てみて、ちょっと気持ちがしんどくなったので、こっちにする・泣。)

 

2014年の「Problem」。Iggy Azalea という feat の人選もよし。

60年代風セットも可愛く。
ヘタウマを愛でる日本とは違い、「アイドル」でも「歌が(ものすごく)うまい」という文化の根本的な違い。

 

「Sweetener」のサウンド

さて、今回のアルバムの特徴は、上の「Problem」のプロデュースもしているIlya Salmanzadeh や、Taylor Swift との仕事でも有名な Max Martin らの分かりやすいヒット曲は後半に置いて、前半には Pharrell Williams の、やや玄人向けというか、シングル映えはしないような楽曲をまとめて配置していること。

これ、良かったです。

じわじわ良曲で暖っためつつ、後半、みんなの知ってる曲でどかーん!という、普遍的なDJプレイのようでもあり。

 

まず前半の Pharrell 仕事。

Pharrell 本人も feat の ②「Blazed」。

いかにも Pharrell なトラックですねー。

 

そして、Nicki 姐さんを呼んだ、③「The Light Is Comming」。

事件にしても個人的な出来事にしても、それを乗り越えて、その先から「光」が来るんだ。という力強い内容(泣)。

2曲ともに、Pharrell の中でもN.E.R.D.路線で、アイドルの楽曲「らしくない」、一緒に歌いたくならない(笑)調性感薄めのメロディー。Ariana の曲の中でも最もHIP HOP 的ですわね。最高です!

 

アイドルが、一歩、アーティスティックな方向に登ろうとする際にPharrell を呼んで来る、という流れは、2001年のブリちゃん(←Britney Spears・笑)の時のことを思い出しましたね。

18年前ー!(泣)
Britney Spears の、それまでの「アイドル・ポップ」路線をくつがえして「ポップじゃない」2001年の「Boys」。

N.E.R.D.味100%であることも重なって、今回のPharell 起用の意味に、共通の「におい」を感じる。
そして Mike Myers !(笑) 「オースティン・パワーズ」が流行ってた時代よね。ここに出てたなんて忘れてたわ(泣)。

 

そして、後半に向けて、彼女の武器である「歌い上げ」が光る路線へ。

セカンド・シングル ⑤「God Is A Woman」。Ilya + Max Martin 仕事。

2:23あたりから、Madonna 姐さんの語りも登場!
MV内では誹謗中傷を文字通り「ぶつけられて」ます(泣)。
それらと戦うのではなく「愛する」のだ。と。女性性への賛美を高らかに歌い上げています。

 

⑩「No Tears Left to Cry」。こちらも Ilya + Max Martin 仕事。

「泣いて、涙も涸れた」。マンチェスターの事件とその犠牲者への思いでもあるし、個人的なもろもろについてのことでもあるんでしょう。で、「 持ち直して 持ち直して 愛し 生きて 私たちはもう一度アガって行く」っすよ。「ヘイトに関わっているより、楽しむ」。大事(泣)。LGBTへの想いも入ってますねー。

 

様々あった「事件」についても直接的に言及するのではなく、個人の心情からの表現に徹していて、普通のいわゆるラブソングとしても読める歌詞にしているところも「ポピュラー・ミュージック」のあり方として普遍的で、素晴らしいと思います。

 

ゲストについては、上に紹介した ②の Pharrell、③の Nicki Minaj の他には、⑪「Borderline」に Missy Elliott を呼んでいるくらい。兄さん姐さんを3人(笑)。

ここしばらく流行の「旬な人を feat しまくる豪華絢爛方式」(笑)をとらずに、Ariana 本人の歌唱を中心に据えた作りも良かったですね。

 

「Sweetener」まとめ

突然、巻き込まれてしまったテロ。SNSをはじめとする様々な誹謗中傷。女性の地位への言及。LGBTへの支援。
様々な「現代的な問題」に言及することになった(言及せざるを得なかったのであろう)彼女の想い、歌唱を作品の中心にしっかり置くことで、彼女自身の「意志」や「成長」を強く感じさせることに成功していると思います。

 

もともと10曲予定だったところから、最終15曲まで膨らんでの完成だったとのことですが、構成の妙もあり、47分、最後までしっかり聴かせる、楽曲的に見ても良い内容。
ここまで内容の詰まったアルバムになるとは驚きでした。

 

このアルバムのリリース後の11月には、新しいシングル「Thank U, Next」を発表。

今回のアルバム後、一発目のシングル「Thank U, Next」。Max Martin 仕事。
元彼4人の実名を出しながら、感謝と皮肉を表明(泣)。ありがと、はい「次」。

「分かりやすいアイドル路線」も健在。ということですねー。

 

「洋楽」がお茶の間に、ほぼ全くと言っていいほど届かなくなってしまっている昨今、それでも、日本でもワイドショーなんかでも取り上げられるくらいに「どメジャー」な、数少ない存在の一人。(大の親日家でもありますしね。)

 

次作も楽しみにしています。

 

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Colours of Groove – Myunsic Re/cords Reviews
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