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El Mal Querer / Rosalía (2018) レビュー

Music

El Mal Querer / Rosalía (2018)

 

「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」第15位!

 

「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25 総合ページ」はこちら!
Myunsic Re/cords が選ぶ「2018年の年間ベスト・アルバム TOP25」
年末ということで、今年も各媒体の「年間ベスト・アルバム」発表のシーズンですが、うちも「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」をランキング形式で発表していきます!! 記念すべき音楽ネタの第一...

 

スペインはカタルーニャ(カタロニア)出身のフラメンコ・シンガー / シンガー・ソングライター Rosalíaの、オルタナテヴィヴ・フラメンコというか、アーバン・フラメンコというか(笑)、モダンなサウンドのフラメンコとなったセカンド・アルバム。

 

出た目、初聴きの新鮮さ、という意味では、2018年の TOP 25 の中でもトップは、これかなー。

出たのが11月なんで、このランキングとしては、選定対象のタイミングとしてギリギリだったんだけど、速攻でノミネート、かつ15位!

 

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Rosalíaとは

音源デビュー作のリリースは2017年。

Los ángeles / Rosalía (2017)

この1作目は、基本はギターとハンド・クラップ、曲によってマンドリンやヴァイオリンも入りつつの独唱。という、トラディショナルなスタイルのフラメンコ作で、こっちもまた良いです(笑)。

 

1作目「Los ángeles」より ②「De Plata」。
Rosalía – De Plata
MVのスタイルは現代的とは言え、音楽としてはオーセンティックなスタイル。
この時点で、すでにラテン・グラミー賞 2017で最優秀新人賞にノミネート。この時、23歳。

 

まずもって、声がいい(笑)。

しっかり学校で勉強してきたという、フラメンコ本格の歌い上げスキルに裏打ちされた、歌唱力の地力の高さはもちろん、ちょっとガーリーな要素も同時に感じる声色が非常に魅力的。

私自身はこっちを聴いたのは、もちろん後追いで、今回紹介の 2nd の後に知ったんだけど(今、1st を聴きながら書いてます・笑)、1作目だけの状態だったら、スペイン本国を超えて、ここまで世界中の音楽ファンの耳目に届くことはなかったでしょう。

 

「Malamente」の大ブレイク

そこから2018年の夏前に、まず本国スペインで大爆発 → ヨーロッパ各国で一気に話題が広がったブレイク・スルー曲がこちら。

①「Malamente」。アルバムでも冒頭に持ってきてますね。
ROSALÍA – MALAMENTE (Cap.1: Augurio)

フラメンコのギターやハンド・クラップのフレージングをパーツとして、R&B スタイルで組み上げる、というハイブリッドなトラック。歌メロ自体は、フラメンコの歌い上げもあり。

まさに、オルタナ・フラメンコというか(笑)。

、、という、ちょっと他では聴いたことがない、フレッシュなスタイルを確立!これはヤバかったですね。

 

「El Mal Querer」のサウンド

③「Pienso En Tu Mirá」。
ROSALÍA – PIENSO EN TU MIRÁ (Cap.3: Celos)
ムードや構成はR&Bのあり方を引いていて、ハンクラも生ではなくサンプリングでループさせてるのが普通に「今風」ながら、メロディ、歌唱法含め、世界観はあくまでフラメンコ。これは発明だわ。

 

スペインのチャートでの1位はもちろん、Apple Musicの US Latin Listでも1位。

2017年に続いて、2018年度のラテン・グラミー賞では、女性アーティストとして最多となる5部門でノミネートとなり、「Best Alternative Song」「Best Fusion Urban Performance」の2部門も獲得。(「Best Alternative Song」獲ったの、大納得!)

 

④「De Aquí No Sales」。交通周りの音(笑)をサンプリング。
ROSALÍA – DE AQUÍ NO SALES (Cap.4: Disputa)
ミュージック・コンクレートの時代から、こういう環境音をリズムにする手法自体はエレクトリック・ミュージックとしては、何十年も前からあることだけど、フラメンコに入れちゃったよ、、という(笑)。新鮮。

 

ヴォーカルのフレーズの切り貼りなんかも入ってて面白いんだけど、プロデュースがスペインのEl Guinchoという方で。この人、Bjork も手掛けてたりする人なんで、この手の作りをするのにドンピシャの人選よね。

 

⑦「Bagdad」。

ROSALÍA – BAGDAD (Cap.7: Liturgia)
オートチューン!
お、「普通のポップ」な曲もあるん?と思わせつつ、すぐにフラメンコなメロが出てくる、という、このバランスが面白い。
あくまでフラメンコから離れない姿勢や善し!(笑)

 

⑧「Di Mi Nombre」。
ROSALÍA – DI MI NOMBRE (Cap.8: Éxtasis)
音のスカリ方が「トラップ以降」の感じというか。
まあ、なんとなくハンドクラップの質感とトラップのスネアの軽いサウンド、似てなくも無いような気もするし(笑)。

 

とまあ、R&B / Hip Hop やエレクトロの感覚をフラメンコに持ち込んだ、非常にハイブリッドなサウンドな訳です。フラメンコでこれ、っていうのは、想像外だったよねー(笑)。

私としては、非常に好ましいラインですね。

 

「伝統」か?「革新」か?

これ、ポピュラー・ミュージックの側にいる我々から見ると、単に面白い!新しい!で済むんだけど、本場のフラメンコ界では、早速、問題になっているようで。

「Rosalía はカンタオーラ(フラメンコ歌手)じゃない!」「ただのポップ歌手に過ぎない!」「フラメンコのカルチャーや歴史、ロマに対するリスペクトが足りない!」などといった言われ方で、騒ぎにもなってるそうです。「伝統と革新」問題。

歴史が長いフラメンコ界ですし、格式や伝統が重んじられる世界の音楽ですから、オーセンティシティ(正当性)が「問題」になると。

 

私自身は、ジャンルに限らず、様々な要素が詰め込まれてハイブリッドに昇華されている先端的な表現こそが大好きなので、今作は諸手を挙げて支持!なんですが、、今作のおかげて、よりトラディショナルな作りの 1st も聴く機会にもなってますし、先進性を持った若者(笑)の存在によって、伝統的なフラメンコへの興味が世界的に集まって、シーンの活性化につながるといいなー、と思うところしきりです。

 

歌い上げ中心の ②「Que No Salga La Luna」。
ROSALÍA – QUE NO SALGA LA LUNA (Cap.2: Boda [Audio])
作中でもメロディー自体はオーセン寄り。

 

そして、世界での「評価」へ

BBCが毎年出している、ブレイクが期待される新人のリスト「Sound Of 2019」が先日発表されたばかりですが、そこでも見事 5位ですよ。インディのロックや Hip Hop、R&Bばっかりで、他にフラメンコのような伝統的なバックボーンを持ったタイプの人、皆無ですからね。本当にすごいことです。

(ちなみに、話が飛んじゃうけど、Myunsic Re/cords的には、今年の「Sound Of 2019」ノミニーの中では、King Princess(キンプリじゃ無いぞ!爆)が一押しだったんだけど、2位になってましたね!アルバム出たら、いずれ、ご紹介したいと思ってます。)

 

グラミーでもそうですし、「Sound Of 2019」でもそうですが、本国スペインのみならず、英語圏でもヒットを記録している訳で、全曲スペイン語の作品で、この受け入れられ方は本当に快挙です。

英語圏ではむしろ「言葉の壁」が大きいですからね。

ワールドワイドで「売れる」ために、英語版を出さないと通用しなかった、これまでのポップ・ミュージック界も、いよいよ変わってきてるなー、と感じさせる、嬉しい流れです。

 

(22位にしたフランスの Christine and the Queens にしてもフランス語版と英語版、両方出してますし、インターナショナル展開=英語、という「常識」は、まだまだ残ってますからねー。

 

BBCが英語の曲以外はオンエアしない!というルールがある、っつーんで、Pizzicato Five の小西さん、わざわざ英語で歌い直したヴァージョンの「モナムール東京」作って、Matador Records でシングル切って、BBCでかけさせた訳ですからね。20年前の話だけど(笑)。向こうの「英語の壁」、高かったんですよ、かつては。
ちなみに Matador Records は、19位の Snail Mail がデビューしたレーベルね。いろんな話がリンクする(笑)。

 

日本人としては「洋楽」全般に、外国語としての「言葉の壁」が大きく立ちはだかっている訳ですが、、英語でも、最初から意味が分からないで聴くのが多くの人にとって「普通」なので(泣)、逆に言うと、それがフランス語だろうと、スペイン語だろうと、ポルトガル語だろうと、韓国語だろうと、そんなに違和感なく聴けちゃうところもあり(笑)、大丈夫な人はなんでも受け入れられちゃう。という、良い面(笑)もありますよね。私も全然そうなんですけど(笑)。いずれ、歌詞の意味をつかむのに苦労はしますけどね(泣)。)

 

Rosalía は、2019年を本格的な「世界展開」の年にする、とのことなので、次作以降の動向も非常に楽しみです。(英語に切り替えて来るのかも注目ですね。)

 

アルバム最後の小品で締め。⑪「A Ningún Hombre」。
ROSALÍA – A NINGÚN HOMBRE (Cap.11: Poder [Audio])

 

「El Mal Querer」まとめ

24位のコロンビア出身の Kali Uchis、17位のキューバ出身の Camila Cabello といった、中南米出身のアーティストが支持される風潮がある中、そこにスペインの人も入って来るという、一昔前には考えられなかった流れ。本当にいいことだと思います。

今後も非常に期待していきたいラインです。

 

ちなみに、ここで、また順位に変動入れております。

Kacey Musgraves を16位に、Rosalía を15位。その上の14位に Ariana。としました。

 

Kacey Musgraves はカントリーに、Rosalía はフラメンコに、他ジャンルからのサウンド・メイキングの手法を持ち込んで、共に保守的なジャンルを中から突き破ろう!という、ハイブリッドな作品を出してきて、大変、素晴らしいのですが(2人とも、前作がオーセンでジャンル・オリエンテッドな作品だった、というところが共通しているのも面白いですね!)、、カントリーは、それでもまだ「ロックンロールのルーツ」の1つな訳で、取り入れてる要素に比較的近しい部分もあるものの、フラメンコにこれ(笑)は、まあ、より分厚い壁を突破してるよなー、という点を考慮して Rosalía を上にしました。

初見での驚きも Rosalía の方が、明らかに「わっ」ってなったしね(笑)。ビート・ミュージックってだけで、好みは Rosalía の方だったりもするんだけど。

いずれにせよ、2人とも伝統に革命を持ち込んでいて、両方とも本当に素晴らしいです。この二つを並べておくの、いいなーという気もしたり(笑)の順位。

 

で、やっぱ、Ariana の完成度は高けーなー、と(笑)。

という、順位です(笑)。

 

*第14位はこちら!
Sweetener / Ariana Grande (2018) レビュー
第14位! 「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」
*第16位はこちら!
Golden Hour / Kacey Musgraves (2018) レビュー
第16位! 「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」

 

「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25 総合ページ」はこちら!
Myunsic Re/cords が選ぶ「2018年の年間ベスト・アルバム TOP25」
年末ということで、今年も各媒体の「年間ベスト・アルバム」発表のシーズンですが、うちも「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」をランキング形式で発表していきます!! 記念すべき音楽ネタの第一...

 

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Colours of Groove – Myunsic Re/cords Reviews
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