Clean / Soccer Mommy (2018)
「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」第18位!
アメリカ、テネシー州ナッシュビルを拠点とする、シンガー・ソングライター、Sophie Allison のプロジェクト、 Soccer Mommy の1stアルバム。
bandcamp に曲を上げていたところからフックアップされてのデビュー。
ナッシュビルと言えばカントリーの一大中心地ですからねー。ちょっと意外なところから、こういったインディーなサウンドの良作が出てきました。
Soccer Mommy とは
私が彼女を初めて聴いたのは、2017年のデビュー・ミニアルバム「Collection」。
内容的には全くノー・インフォメーションだったんだけど、「宅録女子感」(笑)を感じて「ジャケ買い」し。(←実際には「ジャケ・ダウンロード」ですけど。)まあ、当たりでした(笑)。
その1作目は、こんな感じ。
「Clean」のサウンド
で、その次作となる1st アルバムでは、War On Drugs や Deerhunter なども手がけてきたGabe Wax がプロデュースを手がけているんだけど、彼が非常に良い仕事をしているのが、今作の成功に繋がっていると思う。(私の評価ポイントは、彼の手によるところが非常に大きいですね。)
聴取環境が悪いと気がつきにくいかもですが、パッと聴きは、彼女の出自であるベッド・ルーム制作の「ローファイ」な印象を残しながら、実はサウンドの分離から素晴らしく、特にミニ・アルバムの時点では無かった、ベースを活かした楽曲のアレンジも相まって、より「バンドらしい」サウンドとして、明らかに作品のグレードを上げています。
アルバム冒頭の曲から、サウンド的に面白い実験もしていて。
非常にローファイな印象を与えながらも、オルガンのサウンドの配置、分離の良さなど、実はハイファイなのである、、というプロダクションの素晴らしさもさることながら、3:13からデモ・テープのような本当に音質が悪いサウンドに、ガクッと切り替わってドキッとさせられます。
これも、元々、彼女の出自がどこにあるのかを明確にプレゼンしようという、Gabe Wax の計らい。いいですね。
23位の Mitski のオープニング・アクトや、16位の Kacey Musgraves とツアーも回ったりと活動も広まって来ています。
明日の1月10日は、渋谷WWWで来日公演ですしね。(←休み、取り損ねたー、、泣)。
「Clean」まとめ
19位の Snail Mail と18位の Soccer Mommy を並べたのは意図的で、両方とも略すと「SM」だから!、、というのは嘘で(笑)、、2018年は女性SSWの作品が本当に豊作だったんだけど、その最良の作品が、私の中の「全体感」では「この辺」かなー、というところです。
Snail Mail と比べて、サウンドのプロダクションの作り込み、アレンジの素晴らしさで Soccer Mommy の方を上に。声の好みもありますけど(笑)。
大きく見て「同系統」(=女性SSW)の Mitski が23位と少し下になっちゃいましたが、この3つで言うと、作品自体の出来栄えは Mitski が1番だと思います。
楽曲のクォリティ自体もそうですし、曲の振り幅の広さ、プロダクション面で言ってもそうですね。
ただ、暗い曲が多い、、と言う、「好み」の1点で差が出てしまった次第です、、(泣)。
私、DJでの選曲もそうなんですが、「メランコリィ」くらいのものまではギリギリOKとしても、「暗い」の、かけないんですよね。基本。
常に「にゃんにゃーん」って思ってるんで(←バカ・笑)、日々の生活/人生の中で、「暗い」のを聴くタイミングが、今は全然なくてねー。
ちなみに、両 SM(笑)ともに、アヴちゃん(←Avril Lavigne)から多大な影響を受けてる、と言ってるところが面白いですね。
メジャーど真ん中のアヴちゃんを聴いてた子たちが、こういうインディなサウンドに行き着くってのが、人生の面白さというものです。アヴちゃんのチームも良い仕事をした!(泣)
その後、Sophie さん、音楽に専念するために大学を辞めて、NYからナッシュビルに戻ったのこと。
まだ20歳ですからねー。
彼女も次回作の展開に期待したいところです。