「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」第24位!
続いては、Robynの北欧から南に飛び、コロンビア出身、LAを拠点に活動している、Kali Uchisのメジャー・デビュー作です。
高校生の時に作ったMIX TAPEが、Snoop DoggやTyler, the Creatorに気に入られてフック・アップされてのデビューですよ。
参加プロデューサー陣が豪華
満を持してのメジャー作ということで、とにかく参加メンバー、プロデューサーの並びを見ただけでもすごい。
Thundercat(←今年のソニックマニアで聴いて来ましたー!)、Kevin Parker(Tame Impala の人ね)、The Internet の Steve Lacy、Jorja Smith から、Greg Kurstin、Om’Mas Keith、Sounwave(Kendrick Lamar とやってましたねー)などなど、豪華絢爛。Gorillaz として Damon Albarn まで参加してますからね。
「Isolation」のサウンド
サウンド的には、出自を活かしたラテン・フレイヴァーなネオ・ソウルと言ったところ。
R&Bを中心にファンクやダンスホールから、ボッサ調のものまである、と、非常に振り幅が広いものの、全体にドリーミーな音像に統一されており、違和感なく通して聴ける作りになっております。
これ、上にあげたような非常に多くの才人を集めて、曲ごとに別の作者を起用していることを考えると、ここまでアルバムとしてトータルで統一した印象に落とし込めてるのって、非常に優れた仕事をしているなー、と思います。
この2曲からだけで想像するより、アルバムは、はるかに多様で芳醇な内容です。
Tylerも参加してるんで、Odd Future周りのエッジの立ったR&B / HIP HOPのエッセンスも入ってますし、様々なラテンの要素も導入しながらもレトロなソウルとしてまとめている。
多様な要素を詰め込みながら、アルバム全体を通して、やわらかくてドリーミーな雰囲気にトータルにまとめあげていて、シャレオツなブリーズ(爆)を運んでくれて心地いいのは、Kaliちゃんのスモーキーでキュートな「声」が、あまり前には出ずに、サウンドを包み込んでくれるような存在であることも大きいでしょう。
(個人的な好みとしては、もっとバッカンバッカン、ビートが打ってても良いのですが(←バカ・笑)。)
「Isolation」まとめ
とは言え、デビュー作で、これだけのメンツ、このサウンドというのは、非常に素晴らしいと思いつつも、本人のヴォーカルに際立った特徴があるとか、強く印象に残る歌声、、ということでは無いところも感じちゃうのが、若干の不安材料。(それもあって、この順位。)
軽く「良い雰囲気ー」という印象のみになったりせず(←「誰が歌ってても、曲がいいんだから、いいじゃん」というような)、「この人の歌だからこそ、聴きたい!」と思えるような、次回作を待ちたいところです。
ちなみに、デビューのキッカケともなった、件のMIX TAPE 「Broken Bubble」もYouTubeで聴けちゃいます。お時間のある方はどうぞ(笑)。