「Myunsic Re/cordsが選ぶ、2018年の年間ベスト・アルバムTOP25」第21位!
Travi$ Scott と入れ替えで、1ランク・ダウン!
25位から22位まで、すべて女性アーティストが続く中、初の男性登場!
イギリスはシェフィールドのArctic Monkeys 5年振りの6作目は、これまでのトレードマークだった、ビッグなギターリフを捨て「問題作」と言われていますが、Myunsic Re/cords での評価はいかに!って、21位です!!(笑)
Arctic Monkeys とは
アメリカの The Strokes と並んで、いわゆる「ガレージ・ロック・リヴァイヴァル」の代表的なバンドの1つですね。2006年デビュー。
「ガレージ・ロック・リヴァイヴァル」とは、60年代的なリフを中心にしたシンプルなロックの復権を謳ったムーヴメントで、00年代初頭に大変に人気でした。
当時は、チャートでも R&B、HIP HOP勢が台頭しており、それに対する「カウンター」を担うポジションとして、メディアでももてはやされてましたね。
当時、私自身としては、むしろクラブ・ミュージック側が主戦場になっていた時期でもあり、この辺のバンドも職業柄、一応聴いてはいましたが、全然ハマることが無かったあたりだったりします。
これ聴くんだったら60年代のものにするし、クラブ・ミュージックの方が、より先端的な実験をポップ・フィールドで実践してるわ。というのが、当時の私の感じ方ですかね(笑)。
まだ、音楽ジャンルやスタイルに「派閥」的なものが残っていた最後の時代ですかねー。
私個人の歴史で言えば、人生の中でも一番 Rock的な音から離れていた時期かもしれないですね。
(その「境目」を、私は、だいたい2005年あたりに置いていたりします。)「派閥」があったことが「良かった」訳では全然無いですし、これに関しては、単純に「どっちの時代が良かった」的なことでは無いですけどね。ただまあ、「対立」があるからには、良くも悪くも「他者に対する関心」はあった訳で、隣人の存在に意識的、無意識的に、はなから「気が付こうともしない」ような「無関心」という姿勢の一定の広がりに対しては、昨今の「対立」「分断」の広がりに対してと同様に、ある種の危機感を持ってます。音楽には、時代を先取りして「ことが動く」素晴らしい性質があるので、そこから、しっかり学んでいきたいところです。(その「可能性」を「フェスに見る」だけで終わっちゃうような、「ぬるい」話にもならないように、、。)「対立」と「無関心」、双方の超克。
、、えー(笑)、話を戻しますと、00年代初頭に急速に台頭してきたR&BやHIP HOPに対して「対抗」する必要性が Rock界にあり、「ガレージ・ロック・リヴァイヴァル」ムーヴメントが発生し、そのイギリス代表の位置に立っていたのが彼らだ、ということになります。
こんなんです。
その後も、サウンドが重たくなったり、アルバムごとに多少の変化はありつつも、ギターのリフを中心としたバンド・サウンドにアイデンティティを持ったグループとして十数年、来ていた訳です。
5年前の前作からも聴いておきましょうか。
でまあ、今回も、その流れのままでしたら、私もTOP25に入れることも無かったのでしょうが、6枚目にして、全くと言っていいほどサウンドを変えてきました!
「Tranquility Base Hotel & Casino」のサウンド
で、アルバム・タイトル曲は、こんな感じ。
まあ、大人になりましたよね(笑)。
これまで、ライブ栄えするような、いわゆるキラー・チューンを中心に据えたアルバム構成が多かった彼らですが、今回は、そういう目立つ曲もなく、アルバムを通して、このトーンで進む訳ですよ。
そして、賛否両論、、というか、既存ファンからは、盛大にブーイングが出てましたね。
いわく「ロックじゃない!」「ロックを捨てた!」とか「ラウンジ趣味の変な作品」とか、、。
ロック観が狭い。幼い(泣)。
(「ロックンロールじゃない!」っつーんなら、まあ、分かるけどね。)
「変化」に対する賛否
私は、この変化、完全に「賛」です!!
要するに、60年代的なサウンドのトータル・アルバムになってるんですよね。
で、ヴォーカルの雰囲気なんかは David Bowieとか Nick Cave のスタイル。
私なんかには、むしろ、正当にブリティッシュ・ロックの系統を継いだサウンドにしか聴こえないんですけれども(笑)。
しかも、それを「今」やる!(笑)
好物です(笑)。
「Tranquility Base Hotel & Casino」まとめ
Alex君も、もう30過ぎてますからね。
ハタチの時と変わらずで「工業都市の生活がつまんねー」とか「ナイトクラブを追ん出されてー」とか、もうやらないでしょ(笑)。ただ同じことを繰り返さないのが、成長というものです。
BPMゆっくりなのも好き(←オトナ!・笑)。
今回、作曲をギターでは行わず、初めてピアノに切り替えたとのこと。正解でした!(笑)
41分弱のプレイタイムも良し。
断然、支持します!!
(まあ、好みで言えば、もっと明るい方が嬉しんだけどさー・泣。)
PS. 順位変更の経緯
さてさて、60年代のサウンドでトータル・アルバム、ということで、とても好きな要素満載で、最初20位に置いていたんだけど、記事を書いている中で、元々1個前の21位だったTravi$ Scott を1つ上に上げることにしました。
両方、トータルなサウンド・イメージがあって(Travi$のはコンセプト・アルバムだし)、サウンドに革新性がある、という共通点があって、共に非常に私好みの「挑戦」をしている作品なんだけど、、こっちの Arctics の方は、彼らのキャリアから言っても、時代の中で言っても十分に革新的とは言え、その革新性は、あくまで「Rock界」の中に留まっているように感じるのよね。
いわば「Rock 界の新古典主義」(笑)。
ビートにHIP HOP の影響が、、とか言われても、そこまでもろにHIP HOPな訳ではないしね。
そういう意味では、Travi$ のには(まあ、参加メンバーの力も大きいんだけど)、より多様な「今」の要素がふんだんに詰まっていて、実際に「新しい音」なのは Travi$ の方だなあ。と。
両方とも大好きなのは変わんないんですが、以上の理由で、小さく(笑)順位が変動した次第です!(笑)